※本記事には広告(A8.net・Amazonアソシエイト・楽天・もしもアフィリエイト)が含まれます。商品選定は訪問看護師としての観察と現場経験に基づいており、広告の有無で内容を変えることはありません。
「うちの父、最近トイレが間に合わないみたいで……」
連休に帰省したとき、お母さんからそんな話を聞かされた娘さん。お母さんは、毎日のお世話に疲れている様子で、けれど誰にも相談できずにいる——。
訪問看護師として20年以上、たくさんのご家庭にお伺いしてきました。今日は、こんな場面に出会ったときの 「お守りがわり」 という、ひとつのアプローチをお話しします。
「うちだけ?」と思っていませんか
失禁の悩みは、恥ずかしくて、誰にも聞きにくいもの。
家族の中で抱え込んで、「うちの父だけ?」「うちの母だけ?」と、孤独になっていく。職場の同僚にも、ママ友にも、なんとなく話題にできない。
でも、訪問看護の現場で見てきたかぎり、これは多くのご家庭が通る道 です。
「うちだけがおかしい」のではなく、みんな、それぞれの困りごとを抱えながら暮らしている。まずそこからお話を始めたいのです。
失禁の悩みは、段階で進む
訪問看護で関わるご家族の話を聞いていると、失禁の悩みには段階があります。
- トイレに間に合わなくなる(足が悪くなる・尿意の感覚が変わる)
- オムツは嫌だ、というプライドの壁
- 機能性下着を試してみる(薄型の吸水パンツなど)
- リハビリパンツに移行する
- テープ式・パッド併用へ
ご家族が「うちだけ?」と感じるのは、たいてい 2〜3の段階。 「オムツは嫌」と本人が言い、お母さん(配偶者)が困っている。でも、リハパンに切り替える勇気もまだない。
そんな 狭間の時期 に、機能性下着という選択肢があります。
「お守りがわり」という発想
訪問先で、ご家族のこんな話を聞きました(個別の方ではなく、よくある場面として)。
帰省したとき、お母さんからお父さんの失禁の愚痴を聞かされた。 「お父さん、こっそりと自分で手洗いしているみたいなの。きっと困っていると思うんだけど、そんな姿を見たら言いにくくて……」
娘さんは、職場の同僚から「父が使ってるよ」と聞いた機能性パンツの話を思い出して、 父の日に、そっとプレゼントすることにした。
「今は大丈夫かと思うけど、病院とか外に出る時のお守りがわりに使ってもらえたら」
このスタンス、訪問看護師として すごく良いな、と感じました。
押し付けじゃない。「これを使え」ではなく、「もしも使いたくなったら」と、選択肢を 置いていく だけ。
そして何より、お父さんとしての威厳を、ちゃんと尊重している。
「今は大丈夫かと思うけど」というひと言が、本人のプライドを守ってくれる。「失敗してる」とも「ボケてる」とも言わずに、「外出のときのお守りに」と、外向きの理由で渡す気遣い。
本人が 自分のために、自分の判断で使う という選択を残す。 使わなくてもいいけれど、もしものときに 手元にある安心。
これが、私が訪問先で見てきたなかでも、家族関係をこじらせない上手なやり方 だと感じます。
男性親(お父さん)の場合:機能性パンツという選択肢
男性のからだの構造には、男性専用の機能性下着があります。
薄型で、見た目は普通の下着のようなタイプ。漏れをガードする独自の構造で、抗菌・消臭機能もついていて、洗って繰り返し使えるもの。
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※泌尿器科医師監修・男性の尿漏れ悩みをしっかりサポートする機能性下着
「リハパンはまだ抵抗あるけれど、外出のときだけ使ってみる」という入り方でもいいと思うのです。
病院の通院、お孫さんが来る日、買い物のついでにちょっと遠出。 「もしものお守り」として手元にあれば、外出のハードルがぐっと下がる。
お母さん(女性親)の場合は、続編で
女性のからだの場合は、男性とはまた違うアプローチになります。
吸水ショーツ、薄手の尿もれシート、女性向けの機能性下着——選択肢の種類が異なるので、別記事でじっくりお話しします。
近いうちに「お母さんの場合の失禁悩み」をテーマにした続編を予定しています。少しお待ちいただけたらと思います。
「間に合わなくなったら」次のステップへ
機能性下着で間に合わなくなる時期は、必ず来ます。 それは 失敗 ではなく、段階が進んだだけ。
そのときは、リハビリパンツや、もう一段吸収力のある選択肢へ切り替えていきます。
🔗 大人用おむつ、サイズで選んでいませんか|在宅介護で「失敗しない」選び方を訪問看護師が解説 では、軽量〜重度までのパンツ・テープ式・パッドを段階別にまとめています。
そして、家族だけでは追いつかなくなったら、訪問看護やケアマネジャー、地域包括支援センター に相談してみてください。
父の日に、そっと——
失禁の悩みは、家族の中でこじれやすい。
「なんで、また」と、つい強い言葉が出てしまうのは、心配と、もどかしさから。悪意ではないと、私は思っています。
けれど、本人にとっては 失敗 + 叱責 のダブルパンチ。 プライドが傷ついて、関係がぎくしゃくする——そんな悪循環、訪問先で本当によく見てきました。
だから、「お守りがわりに、そっと置いていく」 というアプローチ。 帰省した娘さん、息子さんが、父の日のプレゼントとして 渡すという形。
「使ってもいいし、使わなくてもいい」 「気になったときに、引き出しから出してくれたら」
この 押し付けない選択肢の渡し方 が、本人の尊厳を守ります。
さいごに——うちだけじゃない、と知ってほしい
失禁の悩みは、誰にも言えなくて、でも家庭の中でじわじわと家族を疲れさせていきます。
「うちだけ?」と思っているお母さん、娘さん、息子さん—— これは、多くのご家庭が通る道 です。
しかも加齢症状だけではなく、出産後のママさん世代 にも、「くしゃみで尿もれしちゃった」と打ち明けられる方がいらっしゃいます。失禁の悩みは、年齢に関係なく、けれどなかなか口に出せないもの。
恥ずかしいことではないし、責めることでもない。
「気になっている」その気持ちこそが、ケアのはじまりです。
そして、家族だけで抱え込まなくていい。 訪問看護も、ケアマネさんも、地域包括支援センターも、いつでも相談を受けつけています。
私たち訪問看護師は、こうした 「ちょっと困っている」段階の家族 にこそ、声をかけてもらえると嬉しいのです。
訪問看護師 みやみー
本記事は、訪問看護師としての観察と現場経験に基づいて書かれています。気になる症状がある場合は、かかりつけ医、地域包括支援センター、または訪問看護師にご相談ください。