※本記事には広告(Amazonアソシエイト)が含まれます。商品選定は訪問看護師としての推薦に基づいており、広告の有無で内容を変えることはありません。

「お風呂に入れない人の頭、どうやって洗ったらいいの?」

訪問看護でお宅に伺うと、ご家族からよくこぼれてくる声です。

寝たきりや、お風呂までの移動が難しくなると、洗髪は急に大ごとになります。ですが、ベッドの上で髪を洗う方法は、実はひとつではありません。

📎 髪を「切る」ほうは 介護のヘアカット、どうしたらいい?寝たきりの家族の髪を切る4つの方法 にまとめています。


ベッドの上で髪を洗う、4つの方法

家族の手でできるものから、専門職に任せるものまで、選択肢は4つあります。

ここでは、訪問看護師として20年、いろんなお宅でいろんな方法を見て・自分でもやってきた立場から、それぞれの中身と使い分けをお話しします。

① 水のいらないシャンプー(家族向け・市販品)

ドラッグストアやネット通販で手に入る 「水のいらないシャンプー(ドライシャンプー)」 や、シャンプー成分を含ませた手袋型シート は、家族介護の心強い味方です。

  • 泡タイプ
  • スプレータイプ
  • 拭き取りシートタイプ
  • 手袋型タイプ

——どれも、お湯もタオルもバケツも要らず、ベッドの上で短時間で済ませられる のが最大の魅力です。

4タイプの違い、ざっくり比較

タイプ 使用感 向いている場面 注意点
泡タイプ 泡で出てきて頭皮にのせる。洗っている感が強い 髪が長め・週1〜2回じっくり 拭き取りがやや必要
スプレータイプ 吹きかけて拭き取る。さっぱり感 短髪・夏の汗ばむ日のリフレッシュ 香り強めの商品もある
拭き取りシートタイプ 1枚ずつ取り出して拭く。手軽 外出先・短時間でさっと 1枚で広範囲は厳しい
手袋型タイプ 手にはめて頭皮を直接マッサージ スキンシップを大事にしたい時 単価高め

ご家族のライフスタイルや、ご本人の髪の長さ・好みによって、しっくりくるタイプは変わります。最初は 泡タイプか拭き取りシートタイプの「使いやすさ標準ライン」 から試して、自分たちのリズムに合うものを見つけるのがおすすめです。

もう一歩、心地よさを求めるなら:ホットタオルでホットパック

訪問看護師として20年見てきた、現場の小ワザ をひとつ。

濡れタオルをレンジでチンしてホットタオルを3〜4枚作り、ドライシャンプー剤を髪に馴染ませてからホットパックする——これだけで、ご本人の表情がふっとほぐれます。

  • 頭皮の汚れが浮きやすくなる
  • 蒸気で 「お風呂に入れた」に近い心地よさ になる
  • 髪も頭皮も、ぐっとさっぱりする

⚠️ 火傷にはくれぐれも注意してください。タオルの温度は、ご家族ご自身の手の甲で確認してから 当てる——これが鉄則です。熱すぎる場合は、少し冷ましてからどうぞ。

4タイプの代表的な商品(タイプごとに使用感が違うので、ご家族の手にしっくりくるものを選んでみてください):

訪問看護師目線で言うと、「毎回これだけ」では物足りない けれど、「お風呂と次の洗髪のあいだに、頭がムズムズしてつらそう」 という時の つなぎ役 として、本当に重宝します。汗ばむ季節、夜になんとなく寝苦しそうな時、家族がさっと頭をすっきりさせてあげられる手段があるのは、お互いのためになります。

② 訪問理美容師さんにお願いする

これは、プロのカットと一緒にお願いする 選択肢です(4つの方法の②)。

業者さんによっては、携帯式のシャンプー台 を持ち込んで、ベッドの上で寝たまま洗髪してくれるところがあります。歩ける方なら、自宅の洗面所を借りて洗う業者さんもいます。

寝たきりの方を頼む場合は、事前の電話で 「ベッドの上で洗髪できますか?」 と確認しておくと安心です。

カットと組み合わせて頼めるので、「久しぶりに、頭ごとさっぱりしたい」 という時にちょうどいい選択肢です。

③ 訪問看護師のベッド上シャンプー

ここからは、訪問看護のサービスとして提供している洗髪のお話です。

「ベッドの上で、お湯を使って、ちゃんと洗う」 ——一見ハードルが高そうに見えますが、訪問看護では、ご本人が受け入れてくださるなら、寝たままシャンプーをすることはよくあります。軽く泡立てて頭皮をマッサージするだけでも、驚くほど表情がほぐれていきます。

ここでは、私が現場でよくやっている方法を、道具立てから順にお話しします。

道具とお湯の準備

そんなに大げさな道具は要りません。

ペットボトルの自作シャワーは、訪問看護の現場では定番です。お湯の出る量を、自分の指先でコントロールできるのが、市販のシャワーよりずっと使いやすかったりします。

水を受ける2つの方法

ベッドの上でいちばん難しいのは、「使ったお湯をどう受けるか」 です。これには、現場でよく使う2つのやり方があります。

A. テープ式オムツのギャザーを首に当てる方式

頭をのせる側に、テープ式オムツを開いてセットし、ギャザー(漏れ止めの立ち上がり)を首まわりにそっと当てます。お湯はオムツが吸ってくれるので、準備がとにかく楽 なのが魅力です。普段のおむつ運用とは別に、洗髪用に大判のテープ式を1〜2枚ストックしておく感覚です(おむつのサイズ・タイプの基本は 大人用おむつ、サイズで選んでいませんか にまとめています)。

B. 透明な大きな袋を筒状に切って差し込む方式

大きめの透明ビニール袋を切って筒状にし、その一方を頭の下に差し込みます。もう一方の端は、ベッドの脇に置いた 汚水受け用のバケツ にそっと垂らす。袋を伝って、使ったお湯がバケツに流れ落ちる仕組みです。

それぞれに向き不向きがあるので、表にしてみます。

方式 メリット デメリット
A. オムツ式 準備が楽・道具が少ない・吸水力が高い お湯を吸ったオムツは重くてゴミに困る・コストがかかる
B. ビニール袋式 安価・使用後のゴミがコンパクト 後片付けがやや手間・汚水受け用バケツが要る
ハイブリッド(オムツ+ビニール重ね) オムツが汚れなければ、次回も使える 準備にひと手間

使い分けのコツ

道具選びで迷ったら、頻度 で考えると分かりやすいです。

  • 久しぶりに一回だけ、しっかり洗いたい → オムツ式が手軽
  • これから定期的にルーティンで洗っていきたい → ビニール袋式の方が、長い目で見てラク

現場で何度も耳にしてきた声があります。

「寝ていて負担がないのに、ちゃんとシャンプーした心地がするんですよ」

体を起こさなくても、頭からつま先まで、本人の中の 「洗ってもらえた」感覚 はちゃんと残る。これは、ベッド上シャンプーをやっていていつも感じることです。

④ 訪問入浴サービス

寝たきりでも、専用の浴槽を家まで運んできてくれて、お風呂に入れてもらえる サービスがあります。これが訪問入浴です。

看護師1名と介護スタッフ2名のチームで来てくれて、バイタルチェックから入浴介助、洗髪、着替え、ベッドへの戻りまで、まるっと任せられる 介護保険サービス です(介護保険でどんなサービスが使えるかの全体像は、介護保険で使えるサービス一覧 でまとめています)。

「一番ちゃんと洗ってもらえる方法」と言ってもいいかもしれません。

訪問入浴の中身(料金・申し込み・現場の動き)は、それだけで一本記事になるので、また別の機会にじっくりお話しします。


一度、任せてみませんか

ベッド上での洗髪は、実は看護学生の教科書にも載っている看護技術です。

在宅では、それぞれの環境の違いや、使用する物品の違いはあっても、髪や頭皮を清潔に保つことの目的は同じです。

実際に、私たちに一度お任せしていただけませんか? きっと心地よさを感じてくれること、間違いないはずです。

📎 髪を「切る」ほうは 介護のヘアカット、どうしたらいい?寝たきりの家族の髪を切る4つの方法 にまとめています。


関連記事

※本記事は訪問看護師としての一般的な知見をもとに書いています。個別の医療判断は、必ず主治医・かかりつけの訪問看護師にご相談ください。 ※本記事には広告(Amazonアソシエイト)が含まれます。商品選定は訪問看護師としての推薦に基づいており、広告の有無で内容を変えることはありません。